不安の足音

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「うーん…華ちゃんと先に約束していたからね」 「ダーリンに怒られなければいいんだけどぉ」 華ちゃんは不安そうな顔をしながら言った。 「ああ、それは大丈夫。そういう人じゃないから」 私は違う違うと手を振りながら言った。 コウがそういう事に怒るとは思えない。 きっと当日も「ふーん」とか「あっそ」って言いそうな気がする。 だから花火を見に行っても怒るはずがない。 「良かったー。…あっすいません電話出てもいいですか?」 華ちゃんはそう言いながらカバンから携帯を取り出した。 そして携帯を見るなり嬉しそうな顔をする。 …こんなに嬉しそうな顔をして。 これって絶対に。 「もしかして彼氏?」 私がそう言うと華ちゃんは大きく頷いた。 その顔を見ていると油の事で悩みつつも彼氏からの電話は嬉しいんだなと思った。
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