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「もしもし?…うん…うん…えっ?今から?…無理だよぉ、だって今先輩と一緒だもん」
華ちゃんは私に背を向け隠れるように小さい声で話していた。
小さい声のせいか、いつもの華ちゃんより更に甘ったるく感じる。
彼氏とはこんな感じで話すんだぁ。可愛いなぁ。
私はビールをチビチビと飲みながら華ちゃんをのんびりと見ていた。
でも華ちゃんの声が少し困っているように聞こえるけど…。
「どうしたの?」
私は通話の途中だけど華ちゃんに話しかけた。
すると華ちゃんは彼氏に「ちょっと待って」と言うと携帯を手で押さえながら私を見た。
「ダーリンが今から会いたいって言うんです」
その顔は困っているようにも見えるけど…嬉しそうにも見える。
まぁ会いたいって言われて嬉しいんだろうね。
「あらあら。良かったじゃん」
「…でもぉ」
華ちゃんは申し訳なさそうな顔をしながら言った。
その顔からきっと私に気を使っていると思った。
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