不安の足音

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「じゃあ先輩。お疲れ様でした」 お店を出ると華ちゃんは私を見ながら言った。 でもその顔は嬉しそうで、もうすぐ彼氏と会えるのが嬉しいのだろう。 今すぐにでも飛んで行きたいって顔に書いてあるように見える。 彼氏は近くまで車で迎えに来るらしくここで別れる事になる。 だから伝えるとしたら今しかない。 私は華ちゃんの方をポンと叩きながら言った。 「お疲れ。彼氏とちゃんと仲直りするのよ」 「はーい。先輩ありがとうございました」 華ちゃんは深々と頭を下げると手をヒラヒラと振りながら歩いて行った。 私はそんな華ちゃんをぼんやりと見ていた。 姿が見えなくなると携帯電話を鞄から取り出した。 そしてコウのアドレスを探す。 …コウに帰るって連絡しておこう。 この前の一件以来、帰りが遅くなる時は連絡をするようにしている。 だってあの時のコウは…私を心配して怒ってた。 もうコウにそんな思いさせたくないし、私もあんなコウを見たくない。 だから連絡すればとりあえずコウも安心するだろう。 まぁメールをしても結局はコウの方が遅かったりするんだけどね。 私は「今○○駅これから帰るね」と短いメールを作成するとそのまま送信した。
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