不安の足音-2

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私は話しを途中で止めた。 だってコウの顔色が変わったような気がしたから。 顔色といっても具合が悪そうって感じではなくて真顔になったというか。 怒っているようにも何か考えているように見える。 …コウ? 私、何か変な事を言った? コウの突然の変化に私はどうしていいのか戸惑っていた。 私が戸惑っているとコウは相変わらずの口調で言った。 「ふーん、そっか。良かったな」 そう言うコウはいつもの表情だった。 その顔を見ているとさっき感じた違和感が嘘みたいに感じる。 さっきのってやっぱり私の勘違い? そうだよ勘違いだよ。 だって良かったなって褒めてくれたし。 うんうん。気のせい。 私はコウの表情が戻った事に安心して話を続けることにした。 「でしょう?気に入っているんだ」 「あっそ」 コウは興味なさそうに短く言うと立ち上がり腕を上げ大きく伸びをした。
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