不安の足音-2

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声を出して笑うコウはまるで少年のようで。 そういえば結婚してからこんなに笑うコウは初めて見たような気がする。 …なんかいいな。こういうのって。 私はコウ笑顔を見ながら幸せを感じていた。 ビールがなくなる頃にラーメンが2つ運ばれてきた。 するとコウは「ん」と私に割り箸を手渡す。 私は割り箸を受け取るとパチンと割り、熱々のラーメンを頬張った。 よく締めのラーメンは美味しいと言うがこれは本当だと思う。 理由はわからないけど、いつも食べるより美味しく感じる。 「今日は華ちゃんの恋愛相談だったんだ」 私はラーメンを半分食べ終わる頃、華ちゃんとの事を話し出した。 とりあえず直近に起きた事を話そうと思ったからだ。 するとコウは食べる手を止めて私を見る。 「恋愛相談?」 「うん。彼氏の家に元カノの痕跡があってさぁ。華ちゃん相当悩んでいたみたい」 「ふーん」 「でもね。彼氏から連絡があったんだよ、今から会おうって。上手くいくといいなぁ」 私は彼氏と仲直りしているといいなと心から思った。 コウはそんな私を優しく微笑むように見ていた。
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