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「経済雑誌に女性起業家として紹介されてた」
「そっか」
そう言うとコウの顔から笑顔が消えた。
だからと言って視線を外す事はなくて私の顔を真っすぐに見ている。
「やっぱり理沙さんってすごいね。私憧れちゃうなぁ」
「そうか?」
「うん。美人だし仕事できるし会社まで作ったんだよ。同じ女性でこんなに違うのかって思うもん」
「そうでもないぞ」
「そんなことない。たぶん憧れる人多いと思うよ。でもね」
「ん?」
「私にはそんな憧れ欲しいとは思わないんだ」
「ふーん」
「だってこうしてコウと一緒にご飯食べる方がいいもん」
そう。そんな憧れなんていらない。
コウに気持ちがなくてもいい。
今こうしてコウと一緒にいられる事。
それが私にとって大切なものだから。
私はそう言うとコウを見ながらにっこりと笑った。
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