不安の足音-2

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「ねえ、それって褒めてる?」 「もちろん。俺やっぱミウと結婚して良かった」 「えっ?」 私はコウの言葉にドキッとしてさっきまでの強張った顔が緩んでいく。 その言葉はかなりの衝撃があり一瞬心臓が止まるかと思った。 結婚して良かったって…。 それって…私が好きって事? ま、マジで! 私は胸の高鳴りが強くなり、顔が赤くなるのを感じつつ何て言えばいいのか困っていた。 コウは私が何も言えないでいるとケラケラ笑いながら言った。 「だってお前といると楽しいから」 楽しいから。 この言葉はさっきまで高鳴っていた胸や赤くなった顔を一瞬にして醒ました。 そして私に気がない事もわからせてくれた。 あー…楽しいですか。 だから結婚して良かった。 …それは良かったですね。 って楽しいって何よ! 私はお笑い芸人じゃないっつーの。
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