不安の足音-2

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「私はお笑い芸人じゃない!」 「そんなのわかっているよ」 コウはあっさりとかわすと「クククッ」と笑う。 私はそんなコウを見ながら、楽しそうだなぁと思った。 その顔は本当に楽しそうで私の心を解してくれる。 バカにされた事もどうでもよくなってくる。 …なんかもういいや。 私に気がない事もわかったし。 でも結婚して良かったって、楽しい言ってくれた。 それだけでも十分に嬉しいから。 コウの気持ちがわかると後はどうでもよくなってきた。 楽しければいい。 だから私はわざとおちゃらけてみせた。 「結婚して良かったなんて光栄だわ。じゃあダメだよ浮気しちゃ」 「しないよ」 コウは笑いを止めると真顔で言った。 きっと「俺達そう言う関係じゃないだろ」って呆れた顔をすると思ってたのに。 私はまさか真顔で言うとは思ってなかったから怯んでしまった。
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