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コウはゆっくり唇を離すと何も言わずに私を抱きしめた。
その腕の中は温かくて、心地よくて。
ふわりといい匂いがする。
…コウの匂いだ。
コウの匂いってなんかお日様みたい。
ポカポカしてて日向ぼっこをしているようだ。
この温かさが体を解してくれてさっきまでの戸惑いを消していく。
私は抱きしめられながらそっと指で自分の唇を触った。
この唇に…コウの…唇が触れてたんだよね。
なんか夢みたい…。
夢じゃないよね?だってこうしてコウに抱きしめられているんだから。
うん。夢じゃない。キスしたんだ。
って…うわっすごく恥ずかしい。
私はあまりにも恥ずかしくなりコウの胸に顔を強く押しあてた。
すると頭の上から「ミウ」とコウの優しく私を呼ぶ声が聞こえた。
私はその声に誘われるようにそっと顔を上げるとコウは優しく微笑んでいた。
でも私はそんなコウをまともに見る事ができない。
だって今絶対に真っ赤な顔をしているから恥ずかしくて顔見せられない。
だから顔を背けたいけど…コウの視線は私を捉えて離さない。
私は恥ずかしく思いながらも、ただコウを見つめていた。
しばらく見つめ合うとコウはゆっくりと私に顔を近づけてきた。
私もそんなコウに吸い寄せられるようにそっと目を閉じて顔を近づける。
そして私達はお互いの唇を重ねた。
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