あなたの瞳に映るもの

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花火が終わった旨のアナウンスが流れると皆一斉に河川敷から離れ出した。 私とコウはしばらく動かず周りの人が離れて行く所をぼんやりと見ていた。 人が段々といなくなるとさっきまで多くの人で賑わっていた河川敷が広く感じ寂しく思える。 コウは周りの人が少なくなると言った。 「さてと帰るか」 「うん。きゃっ」 私はコウについて歩き出そうとすると足元がよろけて転びそうになった。 「ったく大丈夫か?」 コウはそう言うと咄嗟に私を抱きかかえるように支えてくれた。 その言い方は「やれやれ」と言った感じで、私はバカにされると思いコウからパッと離れた。 きっと「そんなの着ているからだ」とか言うに決まっている。 だから私はコウより先に言う事にした。 「うん。大丈夫。えへへ、普段着なれないもの着ているから歩きづらいね」 「まっいいんじゃねーの」 私はコウの言葉に拍子抜けした。 あれ?いいんじゃねーの…って。バカにしないの? もしかして「そうだよな。歩きづらいよな」って思ってくれた? なーんて私の妄想はあっさりと蹴散らかされる。
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