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「何照れてんだよ。もしかして惚れた？」
「えっ？」
「浴衣褒めたのすごく嬉しかっただろ？」
私が顔を上げるとコウはニヤリと悪戯の顔をしていた。
その顔は勝ち誇っているように見えて。
そんなコウを見ながら私は悔しく思った。
…そりゃあ褒めてくれたのは嬉しいし、コウの事好きだけどさ。
でもその顔…全てをお見通しのようでなんか悔しい。
だから簡単に認めたくない。
「そんな事…ない」
私は頭を横に振りながら言った。
でも私の否定もコウには通じてないみたいだ、妙に自信あり気の顔をしている。
「いーや惚れただろ？だってお前わかりやすいもんな」
コウはそう言うと「あはは」と笑った。
私はコウの妙な自信が気に入らなくて反論したくなる。
「あんたこそ私の浴衣姿に惚れたんじゃないの？だって…」
「だって？」
「…キスしたじゃん」
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