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コウの甘く囁く声が頭の中を駆け巡る。
私がずっとずっと欲しかったコウの気持ち。
コウはそれを最高の言葉にして与えてくれた。
『ミウ…好きだよ』
その言葉は私の胸を息もできない位にドキドキさせる。
あまりにもドキドキが大きくて私は手を胸に置き落ち着かせようとするが落ち着くはずがない。
…コウが私を好きだなんて…夢みたい。
だってコウは意地悪だし無愛想だから絶対に私に気持ちはないと思ってたのに。
女として見てないと思ってたのに。
でもコウは私を好きだと言ってくれた。
これは夢じゃない。本当なんだ。
もう嬉しすぎて何も言えない。
「何黙っているんだよ」
何も言えないでいるとコウは私の顔を覗き込むようにして言った。
でも私は恥ずかしくてまともにコウを見る事が出来ない。
だって絶対に変な顔になっているから。
顔は真っ赤で目は涙が出そうだし、唇は震えている。
こんな姿、恥ずかしくて絶対に見せられない。
「だって…コウ私の事好きじゃないと思ってたから」
私は小さな声で言うと顔を背けた。
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