あなたの瞳に映るもの-2

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「でもゴメンな」 私がコウの腕の中で心地よく感じているとコウの声が聞こえてきた。 …えっ? どうして謝っているの? コウのその声は切なそうで。 私はどうして謝っているのかわからなかった。 「…コウ?」 「本当はあの日に渡すつもりだった」 「えっ?あの日?」 「うん」 コウの言い方に『あの日』が理沙さんと会った日だというのがわかった。 初めてのデートで浮かれていた時に元カノの理沙さんと偶然会った。 理沙さんはとても美人で頭も良さそうで。 ありえない位に素敵な人で二人はお似合いで。 私はそんな二人を見る事が辛かった。 だから二人を置いて先に帰って…ブラブラしながら夜遅く帰った。 だってコウに会いたくなかったから。 でもコウはそんな私を夜遅くになっても待っててくれた。 それなのに…私は子供の様な態度を取ってしまって。 何やっていたんだろう…私。 コウを思うと胸がチクチクと痛くなってくる。
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