あなたの瞳に映るもの-2

22/25
前へ
/30ページ
次へ
その夜、私はリビングでビールを飲みながら今日起きた事を思い出していた。 「それにしてもあの時の華ちゃんいい顔していたなぁ」 あの目を丸くしてきょとんとした顔。 華ちゃんとは付き合いが長いけどあんな顔見た事なかった。 素直で可愛い子なんだけど、どこかツンとしている所もあって。 冷めている所もあって。 そんな華ちゃんがあんな顔をするなんて。 きっと私の事だから顔を赤くして慌てると思ったのだろう。 ふふふ。年上をからかうんじゃないの。 私だってやる時はやるんだから。 時計を見るとそろそろ日付を越えようとしていた。 「さてと寝ようかな」 私はそう言うと大きく腕を伸ばしソファーから立ち上がる。 リビングには私一人コウの姿はない。 コウは仕事が忙しいらしく「今日も遅くなる」とメールがきていた。 別にメール送らなくてもいいのに。 ちゃんと先に寝てるから。 私は部屋の照明を消すとリビングをあとにした。 そしてコウの部屋へと向う。 そう。これからはコウの部屋で寝るんだ。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1309人が本棚に入れています
本棚に追加