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ふと幼き頃の記憶が蘇る。
あの写真は…確か幼稚園の頃だ。
幼稚園の頃の私は大人しくてあまり感情を表に出さない子だった。
そんな私にしては珍しく大声を出した時があった。
コウと同じクラスの子がやたらとコウにベタベタしていたから。
そんなの見慣れているはずなのに、いつもなら黙っているのに。
私は気に入らなかった。
『触らないで!コウは私のなんだから!』
そう言って大粒の涙を流しながら泣いたんだよなぁ。
周りのみんながアタフタしてね。
その子もビックリして泣きながら帰ったっけ。
ここまでは覚えていたけど。
考えてみるとこの時はこれで終わりじゃなかった。
『もう泣かないで。俺はミウと一緒にいるよ』
大泣きする私をコウは抱きしめながら言ってくれたんだ。
…そっか。
だからコウはいつも一緒にいてくれたんだ。
コウはいつも私をバカにして。意地悪して。
だからそんなコウが嫌いだったのに。
コウも私が嫌いだと思ってたのに。
それは私が一方的に勘違いしていたのかもしれない。
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