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「もしもし」
行為を途中で止められたと思うとイライラしてくる。
だから私はいつもより低い声で電話に出た。
そんな私の声に華ちゃんは遠慮気味に話し出す。
「あっ先輩?あのう…」
「何?」
「今日はスイマセンでした。花火大会一緒に行くって約束したのにドタキャンしちゃって…」
「いいよ。別に気にしてないから」
「でもぉ…先輩に失礼だったかなぁって後から思って」
「大丈夫よ。それより彼氏と行けて良かったじゃない」
「はい…。先輩、怒ってないですか?」
華ちゃんは私が相当怒っていると思ったのか元気ない声で言う。
『怒ってない』と言おうと思った時にコウがリビングから出て行く姿が見えた。
コウ…やっぱり怒ってる…。
でも華ちゃんは謝罪の電話をしてきたんだし。悪くない。
全てタイミングが悪いんだ。
だから後でコウに謝ろう。
私は「やれやれ」と思うと優しい口調で言った。
「怒ってないよ。私も花火見に行ったから」
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