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コウは私を強く抱きしめた。
逃がさないように強く、でも腕の中は温かくて心地よくて。
私はコウの腕の中で心が落ち着いていく。
そしてさっきまでのイラッとした気持ちが不思議と消えていった。
…まっいいか。
こんなんで許してしまうのなんか悔しいけど。
コウの腕の中って心地よくて気持ちいいから許してあげる。
華ちゃんに何言われても耐えてみせるよ。
私はコウの背中に腕を回すとぎゅっとコウを抱きしめた。
すると抱きしめるコウの腕の感触が消えた。
そして何かでうなじの辺りをゴソゴソとしている。
…えっ?何?
私は何をしているのだろうと思っていると首から鎖骨の辺りがひんやりとした。
まるで金属が触れたみたいに。
あ…。
「あ…これって」
私は胸元に光るネックレスを手にしながら言った。
それはハート形をモチーフにしたホワイトゴールドのネックレスで中のダイヤがキラキラしている。
これって…前にデートした時に見つけたネックレスだ。
確か今度買おうっと思ってたけど、あの時は理紗さんの事とかあって。
すっかりネックレスの事を忘れてた。
コウ覚えていてくれたの?
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