Happy Wedding

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「やっぱりあの人には敵わないな」 コウはイスに座ると「はぁ」と溜息をついた。 それはいるも見る様な呆れた顔ではなくて、完敗したような感じだ。 「新居さん?」 私はテーブルに料理を置きながら言った。 するとウェイターが「シャンパンいかがですか?」と2つテーブルに置く。 そしてイスに座るなりグラスを口にあてるとグイッと一気にシャンパンを流し込む。 シャンパンの炭酸が口の中をサッパリしたかと思うとアルコールが体の中を熱くする。 「そっ。俺が何も言わなくても分かってた」 コウもそう言うと一気にシャンパンを飲む。 そしてグラスが空になるとウェイターを呼んでおかわりをもらう。 「ふーん。でもさ新居さんとコウってタイプ的に合わないような感じだけど、どうやって知り合ったの?」 「学食でさたまたま同じテーブルになった時があったんだよ」 「学食?」 「その時にやたらと絵になるような綺麗な食べ方をしていて、見てたら声をかけてくれたんだ。学部も違ったから顔を合わすのは学食だけだったけど、今考えると凄い偶然だよな」 「うん。でもその偶然があったから新居さんと知り合えたんでしょ?それって素敵だと思うな」 「…そうだな」 コウはそう言うと黙ったままシャンパンを飲んでいた。 その顔は昔を思い出しているのか酔っているのか遠い目をしているように見えて。 ただでさえカッコいいのに妙に艶があり色っぽく見える。 私はこんなコウの表情もいいなって思いながらぼんやりと見ていた。
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