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それから二人でしばらく静かに夜空を見ていた。
しばらく外の風にあたっていたからか少し寒く感じる。
そう言えばこの人は私より前からテラスに来ているけど…戻らないでいいのかな?
「戻らないでいいんですか?」
「私、ああいう場が苦手で」
その人は私の言葉にしばらく黙っていたが、ゆっくりと視線を私に向けると苦笑しながら言った。
おそらく声をかけられるとは思っていなかったのだろう。
私も無視されるかと思ってたから返事を聞けて意外だったけど嬉しかった。
「私も」
私はそう言うとふふっと笑った。
その人も私に合わせるようにふふっと笑っている。
「あなたこそお連れさん待ってないの?」
「主人は今頃、大学のお友達と話をしていると思います。新郎さんともだけど、会うの久しぶりみたいだから話が盛り上がっちゃて」
「じゃあ浩一の後輩なんだ」
私はその人が「浩一」って新郎さんを呼んだ事に驚いた。
受付では新婦側にいたから、てっきり新婦さんの友人かと思ってたのに…新郎さんの知り合いなんだ。
まぁ確かに年齢も同じ位だし、そうなると大学の友人?
あ…それならコウも知っているはずだけど何も言ってなかった。
でもアイツの事だから大学が一緒でも興味ないから知らないって事もありえる。
う…マジでありそう。でももしそうならその人に失礼だ。
だから私はその人に聞いてみた。
「新郎さんのお知り合いですか?」
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