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するとコウも応えるように私をぎゅっと抱きしめた。
まるで子供が母親にしがみつくように強く。
コウの身体いつも温かいのに…すごく冷たい。
この冷たさからコウがどれだけ思いでいたのか、わかるような気がした。
きっとすごく寂しかったんだね。
すごく不安だったんだね。
ごめんね。コウが心の奥でこんなに不安に思ってた事に気づいてあげれなかった。
でも、もう大丈夫だよ。
私がいるから。温めるから。
不安で冷たくなったコウの身体も。心も。
「親になっちゃいけない人なんていないよ」
私はコウの耳元で囁くように言った。
その途端、冷たかったコウの身体がどんどん温かくなっていく。
私は温かくなるのを感じながら子守唄を歌うように優しく言った。
「確かに記憶は少ないかもしれないけど、コウはすごく立派に育っているよ」
「…」
「だってこうして社会人として仕事してるし、結婚もした。それだけでもかなり立派じゃない?天国で小父さん小母さんも喜んでいるよ」
「…」
「だから大丈夫、親になれるよ」
「…うん」
私の言葉にコウは子供の様に素直に頷いた。
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