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「2次会行くけど小林はどうする?」
楽しかった結婚パーティが終わり、会場をあとにしようとするとコウの友人が声をかけてきた。
どうやら有志でどこかに行くみたいだ。
その中には佐々木さんもいて妊婦さんなのに大丈夫なのかなぁと心配してしまう。
あ…でも旦那さんもいるから大丈夫か。
「いや遠慮しておくよ」
コウは友人の誘いに考える間もなく答える。
その返事はあまりにも早く即答に近いせいか友人は苦笑した。
「おまえらしいな」
その言い方からコウは普段からあまり飲みに行かないのだろう。
友人も驚いている様子もなくやれやれと納得しているように見える。
コウはそんな友人にニヤリと得意気な顔をすると「ミウ行くぞ」と私に言いゆっくりと歩き出す。
私は深々と頭を下げるとコウの後ろを追いかけた。
そして追いつくとコウの顔を覗き込むように言った。
「でも行かないでいいの?折角久しぶりに会えたのに」
「もう十分だよ。早く家に帰りたい」
コウは私の顔を見る事なく言う。
その顔は少し疲れているように見えて本当に帰りたいんだなと思う。
「じゃあ帰ったら軽く飲む?」
私の言葉にコウは「ふっ」と笑うと私を見ながら言った。
「いいね」
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