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家に帰ると私は倒れ込むようにソファーにごろんと横になった。
確かに楽しいパーティではあったけど、身体はヘトヘトに疲れきっていた。
美味しいお料理の満腹感。
ほろ酔いになる位に飲んだシャンパン。
知らない人達の中での緊張感。
これらが解放された途端に気ださが私の身体を襲う。
そんな私をコウはやれやれと言わんばかりの目で見るとキッチン向かった。
そして缶ビールを2本持ちリビングへと戻り私の隣に座る。
隣に座ることで体が密着してコウの体温が伝わってくる。
…心地いい。
コウは私の隣に座ると徐にテレビをつけた。
するとテレビから初めて見るバラエティ番組が映し出された。
そのバラエティを眺めているとコウはグイッとビールを喉に注ぎ込んだ。
コウは私に話しかける事なくビールを飲みながらぼんやりとテレビを見ている。
その顔はぼーっとしていて、きっとコウも疲れたのだろう。
私はそんなコウを見ながら、嫉妬した事を謝ろうと思った。
「ねえコウ」
「ん?」
「今日はごめんね。勝手に嫉妬しちゃってさ」
「…気にしてないよ」
コウはテレビから視線を移さずに短く答えた。
その言い方はいつものコウで。
無愛想なんだけど、どこか優しくて。
私はそんなコウを見ていると心が温まるような思いだった。
…なんかいいな。この空気感。
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