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私はコウを抱きしめながら、たまにはこういうのもアリかなと思っていた。
だっていつもはコウの方が年上っぽいのに、今ここにいるコウは弱々しくて。
素直に頷く所は弟のように可愛い。
守ってあげなきゃいけないって思ってしまう。
私がまるでお姉ちゃんみたいに…。
って私の方が年上なんだから。
だからお姉ちゃんらしく得意気な顔をしながら言った。
「皆に感謝しないとダメだぞ」
「そうだな」
「うん。そうそう」
「…ミウ」
「ん?」
不意に呼ばれて返事をするとコウは少し離れて私を見た。
その視線は捉えるように真っすぐで。
私はただコウを見つめ返すしかできない。
するとコウは優しく微笑むと言った。
「ありがとう」
コウの優しく微笑む顔は私の胸をキュンとさせる。
その途端、胸がドキドキしながら顔が赤くなっていくのを感じていた。
もう!せっかくお姉ちゃんらしく出来たって思ってたのに…。
ズルイ!
この顔には完敗だよ。
ああ…やっぱりコウが好きだわ。
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