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「あ…」
私はその人から元カノだったと聞いてやっぱりと思った。
…下の名前で呼ぶってそういう関係だよね。
でもこの人から実際に聞くと引くよ。
「あ…でもかなり前だけど」
その人は私が驚き引いているのがわかったのか、弁明するように言った。
それが私には無理をしているように見えて、なんか可哀想に思えた。
元彼の結婚パーティだけなら未だしも新婦側の受付なんて、かなり前に別れたとしても私だったらできないかもしれない。
だから私は食らい付くように言った。
「でもいいんですか?結婚パーティに出席して」
でもその人は私のそんな気持ちとは逆に微笑みながら言った。
「もちろんよ。だって浩一と優花ちゃんとはお友達だから。それに」
「それに?」
「彼との別れがあったから今の私がいるんだなぁって思って」
そう言うとその人はとびきりの笑顔をした。
その顔には嘘がなく凄く清々しく綺麗だった。
きっと素敵な恋愛をしているのだろう。
よっぽど愛されているのだろう。
だからこの二人を心から祝福できるんだ。
私はこの人の笑顔を見ながら温かい気持ちになった。
幸せな笑顔っていいなぁ。
でもどんな人なんだろう?こんなに素敵な笑顔にさせるなんて。
私はこの人をこんなに素敵な笑顔にさせる彼氏が気になりつつ幸せになって欲しいと思った。
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