1323人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
しばらくするとテラスの入り口から男の人の声が聞こえてきた。
「探したよ。こんな所にいたんだ」
その声に私とその人は振り向き声の主を見る。
私は「誰だろう?」と思い目を凝らしながら見るが、暗くて誰が来たのかわからなかった。
でもその人は声だけでわかったのだろう。
さっき見せたとびきりの笑顔をその男性に向けながら言った。
「斗真くん」
その人の呼ぶ声に男性は段々と近づいてくる。
私は斗真くんと呼ばれるこの男性が彼氏なんだと思った。
だって凄く幸せそうな顔をして待っているから。
この人にこんな顔をさせる彼氏ってどんな人なんだろう。
私は近づいてくるのをワクワクしながら待った。
そして私達の目の前に着くとその人の名前を呼んだ。
「芽衣さん」
その男性を見た瞬間、私は「この人知っている」と不思議な気持ちになった。
目の前にいる男性は25歳位だろうか。
アイドル並みのカッコいい顔をしたイケメン。
…受付にいた男性だ。
しかもさっきトイレの前でハンカチ拾ってもらった。
そう言えばトイレの前で会った時に誰かを探しているって言ってた。
…そっかこの人を探していたんだ。
最初のコメントを投稿しよう!