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「先輩。話をしないって寂しくないですか?」
「まぁそうだけど。とりあえず顔は見れるからね」
「顔だけってなんか嫌だな。私だったら声も聞きたいって思っちゃいます」
華ちゃんは口を尖らせながら言った。
私はそんな華ちゃんの言葉が心に引っかかった。
確かに顔を見れば安心するけど、本当は話したいし声聞きたいよ。
コウの笑顔見たいよ。
でもスーツ姿でソファで寝ているコウを見ちゃうと、疲れているんだなぁってその気もなくなる。
ゆっくり寝かしてあげたいって思う。
それに仕事が落ち着けばいくらでも話せるんだし。
ってもう数日話してないなぁ。
…やっぱり話したい。
声を聞きたい。
あぁ私って弱いなぁ。
私はそんな弱さを華ちゃんに知られたくないし、もっと強くありたいと思った。
だから自分自身に思い込ませるように華ちゃんに言った。
「疲れてるのわかるし、休ませてあげたいからね」
「うわっ先輩って理解ある人ですよね。でもきっとダーリンは声聞きたいって思ってますよ」
私は華ちゃんの言葉に驚いた。
コウが私の声を聞きたい?そうかな?
「そう?」
「だって私のダーリンって会えない時に電話すると凄く喜んでくれますもん。だからきっとそうですよ」
そう言うと華ちゃんは嬉しそうな顔をした。
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