コウの夢

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さすがに自席でコウの事を話すのは恥ずかしかったから、終業後に近くのセルフ式のカフェで待ち合わせる事にした。 私がカフェに着くと早坂さんは既にいて、カウンターで携帯を弄りながらコーヒーを飲んでいた。 「すいません。お待たせしちゃって」 私は早坂さんの前に行くと深々と頭を下げた。 早坂さんはそんな私に優しく微笑みながら「ううん。待ってないよ」と言った。 そして私を隣りに座らせると早速聞いてきた。 「で、何があったの?」 「えっと…」 私はなんて言えばいいのか言葉が見つからずにいた。 「ん?」 早坂さんは私がなかなか言えないでいると不思議そうな顔をした。 そんな早坂さんを見ていると本当に相談していいのか迷ってくる。 だってまだ早坂さんには何の相談か言ってないから。 もしかしたら会社内での相談事と思っているかもしれないから。 でも実はコウの事だとわかったらどう思うのだろう。 早坂さんからしてみれば他人の家の事なんか聞きたくないかもしれない。 それに考えてみたらコウの事を早坂さんに相談するのもなんか変だ。 だって早坂さんは同僚なんだし、コウの友達でもない。 そんなのわからないで終わってしまうかもしれない。 でもさっきの状態だとちゃんと言わないといけない雰囲気だったし、それに男性からの意見も聞いてみたい。 早坂さんだったら適切な答えをくれるだろう。 だから私は軽く深呼吸するとポツリと話した。 「主人との事なんですけど」
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