コウの夢

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早坂さんの言葉が頭の中をぐるぐる駆け巡る。 付き合いたての恋人みたい…かぁ。 恋人って甘い感じじゃないけど…付き合いたてっていうのは間違っていない。 そうだよ。 私達は結婚はしたけど、想いが通じてからそれほど時間が経っていない。 だから一緒にいたいって気持ちが強くて。 まだ心に余裕がなくて。 少しの時間話さないだけでもこんなに寂しくなるんだ。 私はその事に気づくと「あ…」と間の抜けた声を出してしまった。 すると早坂さんはそんな私を真っすぐ見ながら言った。 「斉藤さんをそんな顔にさせるダンナさんに妬けるよ」 …ダンナさんに妬けるよ。 妬けるって…? 早坂さん? 「えっ…?」 私はそう言うと目を丸くして見てしまった。 でも早坂さんは無視してそのまま話を続ける。 「だからさっき言ったのは全部嘘」 「…早坂さん」 「俺だったらいくら忙しくても彼女からの電話は嬉しいよ」 早坂さんはそう言うと優しく微笑んだ。
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