コウの夢

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結局、家に帰ったのは既に夜遅くになってからだった。 お昼過ぎに実家に行ったはずなのに、こんな時間までいたなんて…。 挨拶だけで行ったはずなのにね。 母親との話が弾んだ事もあるが、やっぱり住み慣れた実家は居心地が良い。 どこか落ち着く感じがするから長時間いても疲れない。 それに母親も喜んでくれた姿を見ると行って良かったな思う。 「でもお正月休みもあっという間だったね」 私は冷蔵庫からビールを取り出すとコウに渡しながら言った。 そしてイスに座ると一気にビールを喉に流し込む。 「そうだな」 「明日から仕事かぁ…もう少し休みたいな」 私はそう言うとテーブルに伏せた。 お正月休みも今日で終わりだとなんか寂しく感じる。 今年は例年より多く休めたし、その間は有意義な毎日を送れたのにもっと休みたいと思ってしまう。 仕事が始まるとあの忙しい毎日が待っている。 満員電車での通勤も待っている。 のんびり遅くまで寝ているなんてできやしない。 それらを考えると…休みっていいなぁと思う。 でもだからといって仕事が嫌なわけではない。 華ちゃんや早坂さん、職場の人間にも会いたいという思いもある。 くだらない話をして大笑いしたい。 それにしても休みたいし職場の人に会いたいって…欲張りだなぁ。
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