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「えっ?仕事やるの?」
私がベットに入ろうとするとコウはベットには入らずデスクに向かった。
「ん」
コウはイスに座り短く答えるとデスクの明かりとパソコンの電源を入れた。
するとデスクの周りが明るくなりウイーンとパソコンが起動する音が聞こえてくる。
「だったら実家に行かないでやれば良かったのに」
私はコウの隣に立ち竦むと実家に誘った事を後悔していた。
お正月休みの間はゆっくりしてたから、行っても大丈夫かなって思ってたのに。
だったら実家に行こうと誘わなければ良かった。
コウはパソコンが起動すると表示したデザイン画を細かくチェックしている。
その顔は真剣で私を見ようとはしない。
…ここにいたら仕事の邪魔だよね。
コウの部屋で寝るようになったけど、自分の部屋は以前と変わらない。
だからベットもそのままにしてある。
私は仕事をしているコウを見ながら邪魔になるから今日は自分の部屋で寝ようと思った。
するとコウは察したのか仕事の手を止めると私を見ながら言った。
「確認だけだからすぐに終わるよ。だから」
「だから?」
「布団温めておいて。すぐに行くから」
コウは立ち上がり、優しく微笑むと啄ばむようにチュッとキスをした。
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