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コウのキスは私の気持ちをコントロールする。
さっきまで自分の部屋で寝ようと思ってたのに、その気持ちを一瞬にして消してしまう。
気を使うなって言葉がなくても気持ちが伝わってくる。
「…うん」
私は素直に頷くとコウの言う通りベットに入るとごろんと横になった。
ベットの中はこの冬の寒さのせいかとても冷たくて思わず眉を顰めてしまう。
でもそれは一瞬でだんだんと冷たさに慣れていく。
コウは私を見ながら優しく微笑むと椅子に座り、またパソコンの画面に視線を移した。
そして画面に表示されているデザイン画をチェックする。
私はそんなコウをベットの中から見ていた。
パソコンの画面を見ているコウはとても真剣で、家ではなかなか見せない表情に新鮮さを感じていた。
やっぱりコウはカッコいいなぁ。見ていて飽きないよ。
こんなコウを一人占めできるのってなんか凄く嬉しい。
でも夫婦だもん。私の特権だよね。
私はコウを見ながら優越感を味わっていた。
すると仕事が終わったのかパソコンの電源を落とし、照明を消すとベットに入ってきた。
そしてベットの中が温かいせいかコウは嬉しそうに言った。
「おっ温かい。やっぱりミウは温かいな」
「えっ?私?そうかな?」
「そっ。おまえ子供の頃からそうだったもんな。まるで湯たんぽみたいでさ」
コウはそう言うと私に寄り添うようにピタッと体を密着してきた。
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