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「湯たんぽって何それ?それ褒め言葉?」
私はコウの言葉に眉をひそめた。
子供の頃からって…それじゃあ私が子供の頃から変わらないって事じゃない。
それに湯たんぽって何よ。
私は布団を温めるためにいるんじゃないっつーの。
全く…コイツ相変わらず私をバカにして。
悪気のない顔にイラッとしてくる。
だけどコウはそんな私の気持ちを気にしていないらしい。
それか気づいていないのか、私を背中からぎゅっと抱きしめると耳元で囁いた。
「最高の褒め言葉」
コウの身体が私の背中にぴったりと密着する。
その身体は温かくて心地よくて。
その腕の力は強くて逃げる事を許してくれない。
私はコウに抱きしめられながら、力が抜けていくのを感じていた。
…最高の褒め言葉かぁ。
まっそうだよね。
こうして抱きしめてくれるんだもん。
一緒にいたいって思ってくれるんだもん。
まぁコウはこう言う奴だから。
きっとバカにしている自覚がないのだろう。
悔しいけど…まっいいか。
私は「はぁ」と肩を竦めるとコウの腕に手を置いた。
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