コウの夢-2

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ランチが終わるとコウは約束通り湾岸エリアに連れて行ってくれた。 ここは海辺を商業地域に再開発したエリアで、ショッピングモールはもちろん遊園地に温泉といったレジャー施設があり1日遊べるような所だ。 私達は車を駐車場に止めるとショッピングモールに行く事にした。 折角だから海に行けばいいんだけど、この寒さではどうしても行く気にはなれない。 コウもそう感じていたらしく「海に行こう」とは言わなかった。 同じ事を考えていたと思うと何処か微笑ましく感じる。 久しぶりにコウと過ごす休日は楽しくて、会えなかった時間を埋めるように濃密な時間を与えてくれた。 そしてショッピングモールを出る頃、外は真っ暗になっていた。 時計を見ると17時を過ぎようとしている。 「えっ?もうこんな時間?」 「そうだな。そろそろ帰るか?」 「もうちょっと…だって綺麗だよ」 私は外の景色を見ながら言った。 空は真っ暗だけどライトアップされた建物や樹木等がすごく綺麗で、まだ帰りたくないと思ってしまう。 その中でも観覧車は綺麗で私の視線は釘づけになっていた。 日中に見た時は展望レストランからでも見えるんだから大きいんだろうなって思ってたけど。 こうしてライトアップされると大きいだけではなく観覧車自体が1つのオブジェに見える。 …綺麗だなぁ そういえば観覧車なんてしばらく乗ってない。 最後に乗ったのはいつだろう? 周りもライトアップされて綺麗だし。 観覧車からだと、きっとここら一帯のイルミネーションを見る事が出来るんだろうなぁ。 いいなぁ…乗りたいなぁ。 私はぼんやりと観覧車を見ながら呟いてた。 「ねえ、観覧車に乗りたい」
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