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「うわぁ綺麗」
私は観覧車の窓から見える夜景を見ながら言った。
観覧車から見える湾岸エリアの夜景はまるで街全体に色んな色の宝石をちりばめたような感じで。
そのあまりにもの美しさ、眩しさに私の目は奪われていた。
するとコウの呆れた声が聞こえてきた。
「何?その格好。本当におまえって子供みたいだな」
私はその言葉に振り向きコウを見た。
コウはイスに座って腕を組みながら私を見ている。
その顔は呆れていて、私は今の自分の格好を見ると何も言えなくなる。
…確かにコウの言う通りだ。
だって今の私は両手を窓につき、へばりつくように夜景を見ているから。
まるで、はしゃいでいる子供のように。
「う、うるさい」
私は自分の子供っぽさが恥ずかしくなり顔を赤くしながらペタンとイスに座った。
目の前にいるコウはそんな私を見ながら「ククッ」と笑っている。
その笑いが私を更に恥ずかしくさせる。
私は「もう!」と言うとプイと顔を背けた。
すると視界の隅の方に箱らしきものが見えたと思うとコウの声がした。
「はい」
「ん?」
私はコウの声に合わせるように顔を向けると…そこには可愛くラッピングされた箱があった。
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