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「あれ…?」
玄関のドアを開けた瞬間、私は立ち止まると小さな声で言った。
…いや、それはまずない。
だってこんな時間に…ありえないから。
私は目の前の状況が幻覚にしか思えなかったから目を擦り何度も見直した。
でもそれは私の勘違いで幻覚なんかじゃない。
目の前には男性の革靴が置かれている。
その革靴を見ながら顔が綻んでいくのを感じていた。
うわぁ…コウの靴だ。
帰って来ているんだ。
えっ?でも早くない?
だって私より先に帰るなんて…最近ではなかったよね?
そう言えばプレゼンも終わったって言ってたし、やっと仕事落ち着いたのかな?
だから早く帰れたのかな?
それともプレゼンの結果が出たとか?
勝ったからそのお祝いしろよとか言われちゃう?
何にせよ今日は久しぶりに一緒に夕御飯を食べる事が出来る。
凄く嬉しいなぁ。何食べようかなぁ。
洋食もいいけど、やっぱり和食かな?
コウは好き嫌いなさそうだけど、和食が一番好きみたいだからね。
って。急いで夕食の準備しないと!
きっとお腹空かせているはずだ。
「急がないと」
私はそう呟くと慌てて靴を脱ぎ、リビングへ向かった。
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