コウの夢-2

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「…プレゼン、ダメだった」 コウの言葉が頭の中を駆け回る。 そんなはずないでしょう?あんなに頑張っていたのに。 私はコウが言っている事を信じられなかった。 でもコウの声はいつになく弱々しくて。 その顔は私を見る事なく宙を見ていて。 コウを見ていると現実だと思い知らされる。 …やっぱり本当なんだよね。そっかダメだったんだ。 こう言う時は慰めた方がいいと思うけど…いい言葉が浮かんでこない。 だから私はそんなコウをただ受け止める事しかできなかった。 「そっか」 「俺、クビかなぁ。ははは」 コウはそう言うと乾いた笑いをした。 その笑いから相当落胆しているのがわかった。 きっとコウはこういう経験をあまりした事がないのだろう。 それに今回のプロジェクトではメインで頑張っていたから、ショックが大きいのだろう。 でも、私はコウの頑張りをずっと見てきた。 サボってなんかない。全力でぶつかっていた。 結果はどうであれ会社はそれなりに評価するべきだ。 「そんな事ないって。コウ凄く頑張っていたじゃん。会社だってわかってくれてるよ」 「だといいんだけどな」 「大丈夫だよ。もし何か言ってきたら私が文句言ってやる。ぶん殴ってきてもいいよ」 「ミウらしい」 コウは私の言葉がおかしかったのか、そう言うと「フッ」っと笑った。 それは一時的なものかもしれないけど、コウが心から笑った顔を見るとホッと安心する。
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