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「まあ、座れよ」
「あ…うん」
俺はミウに座るように言うと向かいに座った。
目の前にミウがいる。
再会するまでは心配な面もあったけど、こうして会ってみてどこかホッとしている自分がいる。
でもこうして改めてミウの顔を見たけど…やっぱりコイツいいな。
昔と変わらない所がいいんだよ、見ていて居心地がいい。
なんか…このままずっとこうしていたい。
俺はこの心地良さに浸っていると神妙な顔をしたミウが話しを切り出してきた。
「ねえコウ」
「ん?」
「コウは仕事の為に結婚したいって思っているんでしょ?でも結婚することがどういう事かわかるよね?」
ミウは俺をじっと見ながら言った。
俺はそんなミウを見ながら心の中で愕然とした。
…コイツまだ前向きになれてない。まだ止めたいと思っている。
それに「結婚するってどう言う事かわかる?」って何だよ。わかるに決まっているだろ。
コイツ俺が何にもわかってないと思っているな。
ったく年下扱いしやがって。
「お前、俺をバカにしているのか?」
俺はミウの言葉に眉間にしわを寄せるとイラッとした口調で言った。
でもミウはそんな俺に怯むことなく話を続ける。
「バカにしているわけじゃないよ。コウは私と一緒に生活できるの?将来は子供の事も考えないといけないんだよ。そう言う事も含めて考えてる?」
「お前は?」
「私は…できない。だってさっきコウに会ったばかりなんだよ」
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