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…眩しい。
カーテン越しの薄日が俺の意識に「朝だぞ。起きろ」と問いかけてくる。
俺は朦朧とした意識の中、いつもと違う寝心地に違和感を感じていた。
…ここはどこだ?
自分の部屋は遮光カーテンだから薄日が差してくるなんてないはずなのに…。
それにベッドじゃない。布団だ。
ここは俺の部屋じゃない。
確か昨日は休日出勤して、その後ミウの実家に行って…。
あ…。
そうだ。ミウの実家に泊まったんだ。
小母さんが泊まっていけばって言ってたよな。
それに隣の人の気配も感じる。もちろんミウだ。
起きているようでもないし、まだ寝ているのだろう。
そっか、そっか。
謎が解けたし、もう少し寝るか。
俺は再び眠りにつこうとすると頬に何かが触れた。
…ん?
何だ?この感じは?
それは触れているというか撫でられている方が近い。
撫でている?誰が?
誰が…って、そんなの一人しかいない。
だってここはミウの実家で、昨夜隣に寝ていたのはミウなんだから。
俺はそっと気づかれない様に薄く目を開けた瞬間、目に入ってきた光景にドキッとした。
…近っ。
予想通り俺の頬を触っているのはミウなんだけど…。
それがあまりにも近い距離で、超アップで。
しかもミウ自身から俺に近づくなんて初めてで。
ミウはまるで大切なものを扱うかのように俺の頬に優しく指を滑らせている。
何だこれは?夢か?
俺はどうしていいのかわからず、金縛りにあったように動く事が出来なかった。
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