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「でもおまえって本当に幸せそうな顔をして食べるよな」
俺は食後のコーヒーを飲みながら言った。
ミウは俺の言葉にポカンと不思議そうな顔をした。
「そう?」
ミウが行きたいと言って予約したレストランは雰囲気も良く味も抜群に良かった。
オードブルの鯛のカルパッチョ。
かぼちゃの冷製スープ。
メインデッシュの魚料理。
そしてデザート。
デザートは食べてしまうのが勿体無い位に精工に作られた飴細工がミルフィーユの上にのっていた。
それはあまりにも美しくてミウも食べていいのか戸惑っていたな。
ここの店の料理は男性の俺でも量が少なく感じることなく満足だ。
そして何より食事をしている時のミウの表情がいい。
出てくるもの全てに「美味しい」といいリアクションをする。
その顔は幸せそうで、一緒にいる俺までもが幸せに感じる。
どんな食事もミウといると不思議と旨く感じる。
その笑顔を見ていると心が温かくなって幸せを感じる。
ミウ、おまえの笑顔は魔法の調味料だな。
「うん。お前と飯食うと何でも旨く感じるよ」
俺はそう言うとミウを見ながら微笑んだ。
ミウは褒められて恥ずかしくなったのか下を向いた。
そして小さく聞こえないような声で呟いた。
「あ…ありがとう」
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