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「何で来たのよ」
ミウの実家に行くと早速ミウが出迎えてくれた。
でもその顔はやや怒っているようにも見える、きっと俺が来ると思っていなかったのだろう。
でも家を出る時にメールを送っているんだし、来るのはわかっていただろう。
それに迷惑だったら返信すればいいのに、それもなかった。
だから来たのにその態度は何だよ。
俺はミウの態度に怪訝そうな顔をしてしまった。
「はぁ?」
「だって仕事なんでしょ?」
「もう終わった」
「終わったからって、わざわざこっちに来なくてもいいのに」
ミウはそう言うと口を尖らせた。
その顔は俺から視線を外していて、よくよく見ると怒っているようにも見えるし、照れているようにも見える。
なんだ?どっちなんだ?
わかんねぇなぁ。
考えてみたらあの時からコイツの態度が変だよな。
この前の朝、ミウの額にキスをして以来、コイツは妙に俺を警戒している。
きっとそう言う関係にはならない前提での結婚だったから、驚いているのだろう。
って、たかが額のキスなのに。それも初めてじゃない。
お前がリビングで寝ている時にもう何回もしているんだよ。
って、言えないよな。
だから俺は適当な理由を言う事にした。
「だってお前、夕飯食って帰る気だっただろ?」
「う、うん」
「だろ?だから俺も食いに来た。小母さんのご飯旨いもんな」
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