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「えっ?あ…うん」
ミウは突然声をかけられて驚いたのか上擦った声で返事をした。
「おまえさぁ、もしかして俺が襲うと思った?」
ミウは俺の言葉に「えっ?」と言うと絶句した。
…やっぱり。
コイツ、俺が襲うと思ってたな。
「襲うわけないだろ。小母さんだっているのに」
俺はそう言うと「はぁ」と溜息をついた。
襲いたい気持ちは当然ある。
同じ部屋で寝るなんて結婚してから初めてだからドキドキして寝付けるはずがない。
それにここはミウの実家だ。
例えこの部屋には俺とミウの二人っきりだとしても下の階には小母さんがいる。
いくらなんでもマズイだろう。
それにミウが嫌がる事はしねぇよ。
好きでもない男に抱かれたくないだろ?
するとミウは「わかっているわよ」と言った。
わかっていると言いながら、その言い方は恥ずかしさを隠すようにも聞こえる。
きっと図星だったのだろう。
俺に襲われると思いつつ、否定される。
それを俺に言われて恥ずかしくなったのだろう。
だからってそこまで露骨な態度を取らなくてもいいのにな。
もう寝てもいいと思ったが、ミウの反応が面白くて、もっとからかいたくなる。
悪戯したくなる。
だから俺は口角を上げると意地悪な口調で言った。
「それとも声出さないでできる?」
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