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俺は本屋を出ると直ぐにミウの携帯電話に電話をかけた。
1回、2回とコール音が響き渡る。
…ミウ、どこにいる?
頼むから電話に出てくれ。
俺はミウが電話に出るのをただじっと待っていた。
でも聞こえてきたのはミウの声ではなくて留守番電話のメッセージだった。
電話の向こうから留守番電話のメッセージが虚しく聞こえてくる。
俺は「はぁ」と肩を落とすと、そのまま電話を切った。
…ミウ何で出ない?
着信に気づいてない?それとも無視?
いや…それはないと思いたい。
でもこうして電話に出ないのなら、かけるだけ無駄だ。
だったら探しに行った方がいい。
それに着信履歴から俺が電話した事に気づくだろう。
俺はミウが行きそうな場所を探す事にした。
たぶんアイツはここら近辺にいる。
ミウの性格上、せっかく来たのだから真っ直ぐに帰らないと思う。
そんなミウが行きそうな場所…沢山ありすぎるな。
服や靴、雑貨。
夕食のお惣菜にスイーツ。
どれも十分に考えらえる。
全てを回るにはかなりの時間がかかるけど、そんなの関係ない。
とりあえず一通りあたってみるか。
俺はミウが行きそうな場所を隈なく探した。
でもどこを探してもミウに会う事はなかった。
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