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あれからどれくらいの時間が経ったのだろう。
頭がぼんやりする。
確か帰ったらミウがリビングのソファーで寝ていたから部屋に連れて行こうとして。
ミウを抱きしめたら、アイツ凄く温かくて。
そのまま寝てしまったんだ。
俺はゆっくりと目を開けると当然だが、腕の中にミウがいた。
ミウは俺に抱きしめられているから唇が耳元にあたっている。
…あれ?寝息が全く聞こえてこない。
それに俺を抱きしめるミウの腕にも力が入っているような…。
もしかして起きているのか?
だから俺は抱きしめたままミウに声をかけた。
「ん…ミウ起きてた?」
「あ…うん」
ミウは俺の声にビクっとすると小さな声で頷いた。
その声は小さいが今朝の様な熱でうなされる苦しい感じはしない。
「具合は?」
「大丈夫。薬が効いているみたい」
ミウは俺の耳元でぼそぼそと小さい声で言う。
その声、吐息がくすぐったくて。
こうして俺に抱きしめられても嫌がらなくて。
「そっか。良かった」
具合が良くなってホッとしているけど、それよりもミウを抱きしめている事が嬉しかった。
そういえば意識のあるミウを抱きしめるのは初めてだな。
いつもコイツ寝てるか、酔っぱらって意識がないかだもんな。
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