1%の可能性-2

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するとミウの不思議そうな声が聞こえてきた。 「でもなんでここにいるの?」 …なんでここにいるの?…かぁ。 まぁミウからしたら変な話だよな。 会社に行ったはずの俺が家にいるからな。 でも…そんなこと聞くなよ。 理由なんて一つしかないだろ? 「なんで?ってお前が具合悪いだからだろ」 「うん…そうだけど。でも会社は?」 「早退した」 「早退?」 「朝一にどうしても抜けられない打ち合わせがあったから、それだけ出て帰ってきた」 「大丈夫なの?」 「俺の仕事は家でもできるから後でやればいい。っておまえがそんな心配しないでいいんだよ」 俺はミウが仕事を心配していると思うと「ふふっ」と笑ってしまった。 そう。仕事なんか心配するな。 今日の打ち合わせさえ終わればあとは何とでもなるんだから。 それよりもおまえが心配だ。 「…うん。ありがと」 ミウは恥ずかしそうに言うと黙ってしまった。 俺も何を言えばいいのか言葉が浮かんでこない。 だから何も言わずに黙っていた。 抱きしめるミウの体は温かくて、その沈黙は何故か心地よくて。 俺はこのまま時間が止まればいいと思った。
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