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「美味しい」
ミウは俺が作ったミルク粥を一口食べると美味しそうな顔をした。
その顔は幸せそうで、見ている俺も幸せな気分になる。
「旨いか?」
「うん。コウって料理上手なんだね」
ミウはとびきりの笑顔で微笑んだ。
その顔は尊敬しているようにも見える。
…料理上手かぁ。
これ思いっきりレシピ調べて作ったんだけどなぁ。
俺はミウがいつになく尊敬な眼差しで見ているのに戸惑っていた。
今日の昼飯は俺が作った。
ミウは自分で作るような事を言ってたけど、具合が悪いのに作らせるわけにはいかない。
だから「俺が作るよ」なーんて啖呵を切ったものの。
料理なんか滅多にしない俺が作れるものって…あるのか?
俺は冷蔵庫を覗きながら携帯の料理レシピのアプリを起動した。
そして冷蔵庫の中にあるものとマッチングすると…。
ふーん、ミルク粥かぁ。
確か昔見た魔女のアニメであったな。
これなら具合の悪いミウでも食べる事が出来るだろう。
俺はミウに気づかれないように携帯を置くと、レシピ通り作った。
って、こんなに尊敬な顔をされてしまうと言えないよな。
レシピ見ながら作ったって。
だから俺はあたかもいつも自分が作っているように当然な顔をして言った。
「まあな」
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