1%の可能性-3

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ミウの口から出た名前。 『早坂』 その名前が俺を追い詰める。 早坂ってミウの会社の奴だよな。 ミウの話では席が隣で仕事もできて、爽やか。 誰もが憧れるって言ってたな。 BBQの時に顔を見たけど、確かに誰にも好かれそうな爽やかな印象だった。 あんなクラスに一人はいそうな男、気にならないわけがない。 っていうか。早坂は絶対にミウに気がある。 BBQの時に話していた感じはミウに対する好意がバレバレだった。 しかもミウも満更ではない顔をしていた。 俺に見せた事のないしっとりとした女性のような顔で笑っていた。 それでこのストラップ。 と言う事は…。 ミウは早坂が好きなのか? その瞬間、ラーメン屋での話を思い出した。 あの時、好きな人がいるかって話をしたんだよな。 ミウの答えは…。 『どうなんだろうね』 この答えって曖昧だよな。 まるで自分ではわからないみたいな顔をしていたけど。 でもきっとミウはわかっているのだろう。 早坂が好きだって。 ……そっか。
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