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その後は俺が飯を食っていなかった事もあり、近くのラーメン屋に寄った。
ミウは華ちゃんと飲んできているのに、またビール頼んでいやがった。
ったく。どれだけ飲めばいいんだよ。
と思ったけど、でもこうしてミウと一緒にいると心地よくて。
バカみたいな話ばかりだけで楽しくて。
どんなに仕事が忙しくて疲れていても、ミウと会った途端に疲れがリセットされる。
家に帰るとミウはキッチンの椅子に座ると「華ちゃんにメールしなきゃ」と言い、携帯をいじっていた。
俺はそんなミウをぼんやりと見ていた。
確か彼氏と喧嘩したって言ってたよな。
それで飲んでいる最中に彼氏から連絡があって…まぁ気になるよな。
入力が終わったのかミウは携帯をテーブルに置くと立ち上がりリビングへと向かった。
そしてソファにゴロンと沈むように座るとまるでそのまま寝てしまうかのように目を瞑った。
疲れているのはわかるけど、ここで寝るなよ。
俺は「自分の部屋で寝ろ」と言おうとするとテーブルに置いてあるミウの携帯から着信音が聞こえてきた。
「おい、携帯鳴ってるぞ」
どうやらこの着信音はメールみたいだ。
電話みたく着信音がしつこく何度もならずに1回で止まったから。
そのせいかミウは慌てて電話を取りに行く事がなかった。
着信音が鳴りやんでからゆっくり立ち上がると取りに行こうとする。
でも携帯は俺の前に置いてある。
ミウもこんな状態だし、俺が持って行ってやるか。
俺はミウの携帯を手に取った瞬間、つけられているストラップに目が留まった。
スワロフスキーが綺麗にデコレーションされた星が三連になっている。
この前も思ったけど、ミウってこういうの、好きそうだよな。
俺はソファに座っているミウに「んっ」と手渡すと隣に座った。
「ありがとう」
ミウは携帯に視線を移すと早速メールをチェックしていた。
そして読み終わったのか「…全く」と呟くと項垂れるようにソファに寄りかかった。
「全く」と言いながらも顔は安堵感でいっぱいと言う事は、どうやら上手くいったらしい。
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