1%の可能性-3

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『なんで抱きしめてたの?』 俺はミウの質問にどう答えるか迷った。 …そんなの決まっている。おまえが好きだから抱きしめた。 なーんて、言いたいが言えるわけない。 それは今こうしてミウと話ができているが、実は昨日の事がまだ頭から離れていないから。 きっとミウも同じだろう。 そんな状態で言ってもミウは信じないだろう。 逆に「何言ってんの?」って突っ撥ねてしまうかもしれない。 それだけは嫌だ。 せっかくの雰囲気を壊したくない。 だから俺はこの雰囲気を壊さない様に嘘を考えた。 「それ俺に聞く?」 「えっ?どういうこと?」 「聞いてショック受けなければいいけど」 俺はそう言うと挑発的な顔をした。 ミウはそんな俺の表情に困惑した顔をする。 「な、何?」 「おまえが俺に抱きついてきたんだよ」 「マジで?」 「マジで。他に誰がいるんだよ」 俺はわざと「はぁ」と大きく溜息をつきながら呆れた顔をした。 嘘。そんなわけないだろ。 でも悪いな。これは突き通さないといけないんだ。
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