1%の可能性-3

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ミウは早坂が好き。 BBQの時の二人の様子が頭の中を繰り返す。 楽しそうに微笑みあっていた二人を。 確かに俺達は結婚しているけど、恋愛結婚ではない。 他に好きな奴がいてもおかしくない。 だからミウに好きな奴がいたとしても非難できない。 でも…俺は…。 そう思うとミウの話は耳に入ってこなかった。 「そうお土産でね。華ちゃんとお揃いなん…だ…ってコウ?」 ミウは一人でペラペラと話していたが、俺の様子の変化に気づいたのか「はっ」とした顔をした。 そして不思議そうな顔で俺を見ている。 何か変な事を言った?って顔をしている。 でも俺はこれ以上この話を聞きたくなかった。 だから気がつくと素っ気ない言い方をしていた。 「ふーん、そっか。良かったな」 「でしょう?気に入っているんだ」 「あっそ」 俺は短く言うと立ち上がり腕を上げ大きく伸びをした。 「じゃあ俺、もうひと仕事するわ」 「えっ…仕事?これから?」 ミウはこれから仕事をすると言った事に驚いた顔をした。 でも俺はこれ以上ミウと一緒にいるのが辛かった。 早坂を思うミウの顔を見ていられない。 だから早くこの場からいなくなりたかった。
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