1%の可能性-3

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俺は部屋に戻るとパソコンの電源を入れ、着ていたスーツの上着を脱いでネクタイを外した。 ネクタイなんてもう何年もつけているから慣れているはずなのに、未だに外した瞬間の開放感が気持ちよく感じる。 「さてと。始めますか」 俺は「うーん」とストレッチをするように両手を上に伸ばし、ストンと落とすとデスクの椅子に座った。 家のパソコンは型式が古いもので起動するまでに少し時間がかかる。 それまでの間に資料の準備をすればいい。 俺は鞄から資料を取り出すと机に並べた。 するとパソコンも起動したのか見慣れた画面が表示されている。 さてと、始めるとかマウスを持った瞬間、飲み物がない事に気がついた。 いつも仕事を家でやる時は予め飲み物も用意しておく。 一度始めたら部屋から出ないで一気に進めたいからだ。 だから俺は飲み物を取りにリビングへと向かった。 リビングに行くとミウはまだソファーに座っていた。 俺はそんなミウを見ながら、まだ部屋に戻っていない事に呆れていた。 …ったく。 何でここにいるんだよ。 俺は「はぁ」と溜息をつくとミウに話しかけた。 「だから部屋で寝てろって言っただろ?」 ミウは俺の姿を見るなり、ゆっくりと俺の方へと顔を向けた。 「あ…どうしたの?」 「喉が渇いたから飲み物取りに来た」 俺はそう言うと冷蔵庫からミネラルウオーターのペットボトルを取り出した。 そしてリビングへと視線を移すとミウはテレビを見ている。 その姿から部屋に戻る気がないのがよくわかる。 …ったく、早く部屋に戻れよ。 俺はペットボトルを手にしながらミウのもとへと近づいて行った。
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